2016年オープン!個性的な廃校展示!
内容は真面目な静岡の環境史!
駿河区大谷、2013年に閉校した静岡県立静岡南高等学校の校舎を学校備品を活用し、博物館としてリノベーション!生まれ変わった各教室に様々な展示が並んでいます。
学校の机を重ねて展示台にしたり、切断した椅子を流用した展示など、どこかアートな雰囲気も感じる面白い展示が並びますが、内容はいたって真面目な静岡の環境史。
図書館を活用したミュージアムカフェなど、廃校を利用しているからこその面白さも詰まった施設となっています。入場料は大人300円・大学生以下無料です。
学校そのものが博物館に!
外観は高校校舎そのまま。校内も当時の姿を残したまま機能性を高める形でリノベーションされており、学校の雰囲気を残しつつもしっかり博物館な施設です。
玄関から入り、職員室の受付窓でチケットを購入します。学校ですが靴箱が無いので土足で進んでいきます。通常展示は全10の展示室に分かれています。
展示室1『地球環境史との出会い』
受付の先が展示室1、こちらでは地球環境史とはどういうものなのかの説明映像を放映しています。ポツンと置かれライトが当たる机がもの寂し気。
モニターの左右には、歴史の教科書で見たような文明と環境を表す様々な物が展示されていました。右上のモアイ像が気になります。
展示室2『ふじのくにのすがた』
隣の教室へ進み、こちらでは静岡の歴史と地震や静岡の自然災害などを、貴重な写真や再現映像で紹介しています。中央で向かい合った学校の椅子が少しシュール。
展示室は教室を利用している為、廊下を移動して進みます。こう見ると学校そのもので、展示スペース以外は博物館らしさがあまり無いですね。
展示室3『ふじのくにの海』
展示室3は静岡の海洋生物や海に纏わる展示。ここも廃校アート状態で、机を向かい合わせに重ねた悪戯のような展示が極真面目に行われていてシュールです。
二段目の机の上に貝殻や生物の標本など、海に纏わる貴重な展示が並んでいます。
展示室の端にもずらりと海洋生物の標本。岩礁など、その生き物が住んでいた場所別に並んでおり、展示の最後は食用の魚が市場の背景に市場らしく並んでいました。
県営の博物館なのに、妙にツッコミポイントが多くて楽しい施設です。説明は充実しているので、これでもちゃんと勉強になっています。
2016年に駿河湾で釣り上げられた2.8mのオンデンザメの標本。この辺りから、各展示室の前にガイドさんが居て、詳しく紹介していただけます。
5mの個体もいる巨大になる種で、500歳以上生きる個体もいる長命も特徴な生物とのこと。駿河湾の深海にたくさんいるそうですよ。
展示室4『ふじのくにの大地』
動物同士・植物も含めたあらゆる有機物の食物連鎖を、巨大なテーブルの上に相関図のように表示!各地の植物の写真や、剥製もたくさん並んでいます。
こちらは特に変わったデザインの展示ではありませんが、机の下にたくさん並んだ美術室の椅子が懐かしかったです。
展示室5『ふじのくにの環境史』
人と自然の共存・文明の進化と自然への侵攻を描いた、メインテーマである環境史そのものを視覚的に再現しています。独特さNo.1最も廃校アート作品らしい展示室です。
切断された椅子に並ぶのは、人々の暮らしの様子と自然の様子。年代ごとに進化していく文明と、利用され失われていく自然の比率をシーソーの形で表しています。
文明が発達するごとに、自然の形も人の手が加わったものに傾いていくという訳です。
展示室6『ふじのくにの成り立ち』
県内各地の出土品や地層から、静岡県の成り立ちを知る展示。テーブルが静岡の形になっており、それぞれどの地域の地層なのかがわかりやすくなっています。
展示室7『ふじのくにの生物多様性』
静岡県内に生息する様々な生物の剥製標本が並びます。テーブルの上の部分だけが重なった台座に気が付くのに時間がかかりました。
入口左手側にはずらりと蝶の標本。右手奥には植物の標本が並んでおり、この他にもアンモニア漬けの魚などあらゆる生き物がこの部屋に集められています。
展示室8『生命のかたち』
剥製の部屋の次は骨の教室。様々な生物の骨格標本が、教室を模した配置のテーブルに並べられています。黒板には各生物の並びが出欠表のように描かれています。
左一番前に座る人骨くん。背筋を伸ばして椅子に腰かけており、優等生らしい授業態度が素敵ですね!接触禁止ですが、柵などないので気を付けてください。
展示室9『ふじのくにと地球』
地球について知るディスカッション室ですが、毎日特定の時間にはスタッフによる環境史講座も行われています。お時間がある方は是非!
展示室10『ふじのくにと未来』
ラストは静岡の環境史の『もしも』を知る、100年後までの未来を想定した展示と、地球環境史の書籍スペース。様々な資料が並んでおり、考えさせられる内容です。
その他の教室
学校さながらの研究室
学校の実験室のような教室では、化石のお掃除体験なども行われているそうです。太古の昔に生息していた生き物の模型が並んでいました。
私と同世代はきっと知っている、少年の日の思い出のページが開かれた教科書。そういえば貴重なクジャクヤママユを扱った作品でしたね。
当時のまま残る教室も
当時のそのままに教室を残した休憩室も。もちろん椅子に座って写真を撮ることもできます。こちらでの飲食は禁止です。
茶道室など、この他にも学校施設がそのままの形で休憩室になっているスポットがいくつか。学校探検感覚で周れます。
図書室はミュージアムショップ&カフェ
図書室はミュージアムショップ&カフェ『図鑑カフェPerch』として営業中。コーヒーや紅茶は100円から。お弁当やパン、焼き菓子などを飲食可能です。
もちろん本棚から借りて読書もできますよ!
雑貨や科学系のおもちゃ・アウトドアグッズなどを販売。公式のグッズというよりは、環境史に纏わる関連商品のお店ですね。
キッズルーム
木のおもちゃなど、自然素材にこだわったキッズルームも完備。展示に飽きてしまったお子様と一緒に休憩できます。搾乳室も完備・ベビーカーの貸し出しもありますよ!
まとめ
一度行くと人に勧めたくなる充実の展示内容。私も今回が初めての訪問でしたが、思ってた以上に楽しめました!
今回軽く紹介した展示は、それぞれしっかりとした説明がついているので、是非じっくり環境史を学びに訪れてみてくださいね!
施設情報
施設名 | ふじのくに地球環境史ミュージアム |
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住所 | 〒422-8017 静岡市駿河区大谷5762 |
連絡先 | 054-260-7111 |
駐車場 | あり |
アクセス | 静岡駅北口バスターミナル8-B 美和大谷線 「ふじのくに地球環境史ミュージアム行き」終点下車 |
定休日 | 月曜日 |
営業時間 | 10:00~17:30 |
詳細 | 公式サイト |