海と魚について分かりやすく解説!
大学経営の勉強になる水族館!
清水区三保、三保半島の先端にある水族館。三保にある東海大学海洋学部の研究学習用施設ですが、一般向け水族館としても整備されております。
他のテーマパーク系水族館には無い紹介の濃さと、研究的な展示が特徴です。となりには化石などが展示されている自然史博物館もあります。
あの"さかなクン"さんも【学べる水族館】と絶賛しており、飼育員の研修で修業をしたとのお話もある、まさに魚を知るのにうってつけなスポットなのです!
※施設老朽化などを理由に、2023年3月にて一般公開を終了しました、1階部分のみ5月より予約制公開を開始します。詳細は下記より☟
2023年度以降の東海大学海洋学部博物館の入館について|東海大学海洋科学博物館|静岡 三保の水族館
東海大学 海洋科学博物館
駐車場から松林の間を抜け、四角い大きな建物の右奥が入口&入場チケット売り場になっています。窓口少な目なので行列注意ですね。
かつてはテーマパークとして
東海大学海洋科学博物館は20年ほど前くらいまで、自然史博物館・人体博物館・ミニチュアランド・プールを併せて【三保文化ランド】というテーマパークでした。
研究系の体験施設が主とはいえ、いろいろ見て周れる子供ながらにも楽しい施設だったと覚えています。
現在プールやミニチュアランドの跡地は三保ハーバルキャンプ場という学生に人気のバーベキュー施設になっています。
セットがお得な入館料
大人(高校生以上):1500円
小人・シニア(65歳以上):750円
隣の自然史博物館とセット券が
大人:1800円
小人・シニア:900円とお得です。
東海大学の大学生は無料らしく羨ましい限り。年間パスポートもあります。
海洋科学博物館は2階建ての建物になっていますが、水族館は1階部分のみです。2階は海洋研究や水中活動ロボット研究などの展示になっています。
この辺りは好みが分かれるところですが、水族館+科学館の複合施設みたいな感じだと思ってください。
海洋科学博物館館内レポ
きらきら★ラグーン
きらきら★ラグーン。展示名は子供にもわかるようにポップですが、サンゴ礁周辺で暮らす生き物を整体別に様々な水槽が並んでいます。
入口からかなり濃い内容のコーナーです。館内は水槽の灯りを目立たせるため、全体的に暗め。円柱型の水槽が並び、壁沿いには小さな水槽で一種ずつ紹介されています。
飼育されている海の生き物はかなり膨大。写真が多すぎるのでお気に入りの子をピックアップ紹介しますね。
こちらはニセゴイシウツボ。『ニセという名の本物』と何やら哲学的なカッコいい感じのフレーズが付けられていますが、体の割に小さな顔でパクパク動いて可愛いです。
岩穴から透明な管にすっぽりハマって隅々まで観察できます。標本みたいですがしっかり生きてます。常にあくびをしてるような眠そうな顔ですね。
同じ水槽のヒトヅラハリセンボン。つまり人面ハリセンボンってことですかね?ぷっくり感が滅茶苦茶可愛い!
楽しそうに泳いでたので膨らむ気配はありませんでしたが、柔らかそうな肌の奥に針を隠してるのでしょうかね?
サンゴ礁の脇役
こちらは壁の小さな水槽コーナー『サンゴ礁の脇役』にいたイヌザメ。成長すると縞模様は薄くなっていき、最終的に体長1mほどになると書かれていました。
常に寝ているような眼で、小動物的な愛らしさがありますね。鼻の先と顔の感じが犬っぽい感じがしなくもないですがそれが由来なのかな?
こちらの綺麗?毒々しい?見た目のお魚はヒレボシミノカサゴ。しっぽの辺りにある目のような模様がちょっと怖いですが美しさに溢れていますね。
古代生物アノマロカリスのようなひげが特徴的。ひれには毒があるみたいですよ。
大きな口のような模様が付いたカワイイお魚クラカケモンガラ。
名前も独特です。オレンジ色の口は模様なので、本物の口はおちょぼ口みたいになってますが、サンゴを砕くほどの噛力があるそうです。
隙間に生きる
こちらは隙間に生きる生物のコーナー。小さなエビやウニなどが小さなハーバリウムのようなケースに並んでいます。
標本のように見えますが、これでも水槽として整備されており、しっかり命ある生き物たちです。
岩と共に生きる
こちらは岩と生きる生き物のコーナー、岩の隙間から口と手を高速で動かすこちらはショウグンエビ。口はものすごい動いてましたが昼間はあまり動かない性質とのこと。
こちらは全長50cm以上にもなるニシキエビ。イセエビ科の食用海老で、殻が綺麗なので飾りにもなると紹介されてました。ニシキエビの紹介だけ生態じゃなくて利用法...。
ニシキエビの背後にひょっこり見えてるワカウツボ。頭しか見えてませんが、全長60cmもあるそうです。口は完全に閉じられない構造なのだとか。
共に生きる仲間たち
こちらはテッポウエビとハゼ。異なる生物が共生する珍しい生態を紹介しています。
目の良くないテッポウエビが巣穴を作り、巣穴を掘れないハゼが見張り役として同じ巣穴で役割を分担して共生しているそうです。
水槽は断面図になっていて、しばらく見ていると巣に潜っていく様子も見られるかも!
砂地の忍者たち
砂に隠れる生き物や、砂の色に同化する生き物のコーナー。ここ数年メディアでの紹介が増え、知名度が上がったチンアナゴも沢山うねうねしています。
クマノミみたいなオレンジ色はニシキアナゴ。チンアナゴは白っぽい方ですね。
わかめみたいに浮かんでる細い生き物はへこあゆ。頭を下にして浮かんでいるとのこと。水槽をくるくる回ってる長い生き物はうなぎぎんぽ。砂にも潜るそうですよ。
大きな見どころ・海洋水槽
海洋科学博物館の中心にある一番の見どころ。約50種1000個体以上の様々な生き物たちが共存している大迫力な水槽です。
10m×10m×6mで水量約600㎥、サンゴ礁・海藻・砂底・岩礁の4つの景観の生態を観察できます。
水槽の上部で群れをつくって周っているのはギンガメアジ。いつまでも眺めれいられそうな絵になる光景です。
大きな魚が居たら一気に飲み込まれてしまいそうな気もしますが、共存できてるの不思議ですね。そういった裏話は団体ツアーなどで聞けるそうです。
意外と動きの速いエイは上手く写真で捉えられませんでした。裏側が顔(';')に見えて可愛いのですよね。干物にすると"エイ"リアンになりますけど。
たまに下のサンゴ礁の方に降りてきては、他の個体とすれ違う大きなサメたち。サメ肌ってサメどおしでぶつかった場合は大丈夫なのでしょうか。
なぜかサンゴ礁の細い隙間を進んでいました。水槽の目の前に二匹もサメが居る光景。迫力ありますね。
水槽の隅には下へ降りる階段があり、サンゴ礁の間から水槽の中を覗けます。
構造的にあんまり見栄えは良くないですが、横からだと目立たなかったサンゴ礁の裏辺りにいる小さな魚も下から観察できます。
貴重なラブカの生態
シーラカンスと並び生きた化石と呼ばれるラブカの標本が飾られています。シンゴジラのモデルにもなった生き物ですね。
東海大学海洋科学博物館×アクアマリンふくしま『ラブカ研究プロジェクト』というプロジェクトも動いており、公開展示はラブカの研究成果としては日本一の内容です。
ラブカの標本の隣には卵から生体になるまでのそれぞれの標本も並んでいます。成体になるまで、体の幅よりも大きな卵を体に付けたままにするほかに無い生態ですね。
少し内容が飛びますが、この後紹介する『駿河湾の生き物』というコーナーでは生きたラブカの胎仔を一般公開していました。
生きたままのラブカの胎仔の公開は日本ではこことアクアマリンふくしまだけ。2018年5月3日から公開されましたが、残念ながら13日に死亡してしまったそうです。
口を大きく開けて鳴いているような可愛い胎仔でした。
リュウグウノツカイ
こちらも希少な深海生物リュウグウノツカイ。1989年に今の清水区由比で採取された全長5.18m(雌)と4.85m(雄)の2個体の標本が展示されています。
子供が見たらトラウマになりそうな見た目。
1990年に三保で採取された30cmほどの稚魚も展示されています。この子が成長していたらあの5m以上の姿に...。
クラゲギャラリー
駿河湾に生息するクラゲを始め、大小カラフルに様々なクラゲが展示されています。季節によって出現するクラゲもいるそうで、限定展示が行われることもあるそうです。
クラゲは季節や成長の時期によって姿を変えるようで、写真三枚目の小さなミズクラゲは三通りの姿で展示されています。
クラゲの毒や刺された場合のことについても書かれていました。
津波実験水槽
海洋水槽のコーナーから外へ出ると津波実験水槽があります。こちらは生物展示ではありませんが、一時間に一度、地震が起こった際の波の立ち方の実験が行われます。
説明のアナウンスと共に実験装置による疑似津波が起こされ、清水とリアス式海岸をイメージした海沿いのミニチュアタウンを津波が飲み込んでいく様子。
津波の仕組みについて勉強できる水族館の展示としては他にない物です。海洋科学博物館ならではの実験展示ですね。
駿河湾の生き物
メインエリア大水槽の先の第三展示といった感じの駿河湾の生き物コーナー。区切られた大きめの水槽が並び、駿河湾に生息する海の生き物が展示されています。
それぞれの水槽が深海の岩場のような形になっていて、それぞれの生態と環境を含めて観察できます。奥に進むにつれて、深度が深くなっていくそうです。
25個の展示水槽に約200種の生き物が名前や一言紹介を含めて展示されています。紹介しきれないので是非現地で見てくださいね!
駿河湾の深海展示
約120種の貴重な深海魚の標本がずらりと壁一面に並べられています。
深海生物の生きる術についてまとめたパネル展示など、駿河湾の深海生物についての学びのコーナーですね。じっくり読むとかなりの豆知識が身につきますよ。
くまのみ水族館
海洋科学博物館1階の最後のエリア、日本のクマノミ6種を含む、世界のクマノミ20種を展示した、クマノミだけの展示エリアです。
イソギンチャクとの共生や性転換など、クマノミ独自の生態を詳しく紹介しています。 見た目が愛らしいクマノミの水槽が並んでいるのでお子様にも大人気です。
水族館の裏側
クマノミ水族館からは、稚魚の飼育や水槽への餌やりを行う水族館の裏側へ行くことができます。こちらは常に公開されています。
今まで見てきた展示の裏がどうなっていたのか少しだけ見学できますよ。
生後数か月から1年ほどのクマノミの稚魚もこちらで飼育している様子が見られます。クマノミ水族館にいたクマノミよりさらにちっちゃい!
これ以上先へは入れませんが、奥の方にある餌やりの設備も見えますよ。こういう裏の様子を公開している水族館も珍しいですよね。
科学博物館
こちらは18mあるピグミーシロナガスクジラの骨格標本。2階は駿河湾の生き物の骨格標本や剥製と科学実験の体験が揃った科学博物館エリアですね。
波の立ち方や海の音、水圧の実験などの体験コーナーが揃っています。
雄雌のメガマウスの剥製が揃っているのは日本で海洋科学博物館だけだそうです。公開解剖によって得られた成果を詳細に紹介しています。
他にも海中の様子を写した3Dシアターなどがあります(ハイビジョンシアターと謳っていますがけっこう古い映像なのでちょっと拍子抜けするかも)。
機械水族館メクアリウム
こちらも海洋科学博物館ならではなコーナー。海洋生物の生態を機械化=メカニマルにし、ロボットの動きを見ながら生物の構造について学ぼうって感じのエリアです。
中心にあるプールでは魚の構造を持ったロボットによる遊泳の様子やメカニマルを動かせる体験も行われています。かなり独特なここだけの要素ですね!
ただの水族館では終わらない、海洋研究を中心とした様々なオリジナル要素を持ったここだけの施設です!是非一度お立ち寄りください!
【東海大学海洋科学博物館】一般公開終了前にじっくり回ってみた - YouTube
施設情報
施設名 | 東海大学海洋科学博物館 |
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住所 | 〒424-8620 静岡市清水区三保2389 |
連絡先 | 054-334-2385 |
駐車場 | 有料専用駐車場あり |
休館日 | 月~水(利用は予約限定) |
営業時間 | 10:00~12:00 13:00~16:00 |
詳細 | 公式サイト |