緑の野山に囲まれた
月を待つ丸子のお寺
駿河区丸子の名勝『吐月峰柴屋寺』今川氏に仕えた【連歌師宗長】所縁のお寺で、宝物棚には歴史の教科書に出てくる人物所縁の品など貴重な宝物が並びます。
『月を待つお寺』として、お月見に最適な立地・環境創りがされており、毎年十五夜には伝統のお月見イベントも開催されています。
観光地として開放されており拝観料はかかりますが、宝物の説明や月を待つ寺の所以、お庭の紹介など管理人のおば様が詳しく説明してくださいますよ!
山の上の史跡
丸子宿は旧東海道の雰囲気を残したとろろ汁で有名な観光地。400年続くとろろ汁の老舗『丁子屋』など、県外からもたくさんの方が訪れる人気スポットです。
丁子屋から更に山間に進み、静岡市の伝統工芸を体験できる『駿府匠宿』の少し上辺りにあるお寺が『吐月峰柴屋寺』さん。
入口手前が駐車場になっており、少し離れた場所には観光用の大型バス駐車場もあります。団体客も多いそうです。
拝観料を払います
入口の門をくぐり、真っすぐ進んだ先にある建物で拝観料を払いパンフレットを受け取ります。大人300円・小人200円です。
駐車場は無料ですが、柴屋寺さん以外の観光目的で勝手に止める人が多く困っているとのことでした。
中は受付のおじいさん手作り?の木製食器などが並ぶおみやげコーナーになっていました。良い雰囲気!
柴屋寺本堂へ
受付から左を向いた木々の奥に見えるのが本堂です。お庭の隅に道があり、入口につながっています。庭だけでなく、周囲も山に囲まれ緑々した立地です。
この日は雨が降っておりましたが、植物の緑はむしろ曇り空の中でこそ映えるものなので、抜群の撮影日和になりました。
本殿と言っていましたが、入口には史蹟庭園宝物拝観所と書かれています。靴を脱いで館内へ。
お月見のお庭
観光パンフレットによく載ってる角度で撮れました!丸子観光の紹介ではこの景色が一番のウリとされています。
池と木々が並ぶ立派なお庭です。外部から庭師さんも定期的に来るそうで、美しい木々が保たれています。写真では分かりづらいですが、庭には文字が書かれた札がいくつか並んでいます。
管理人さんによるお噺
お庭を眺めていると管理人のおば様が来られまして、祭壇の前の椅子に座るよう案内されました。吐月峰柴屋寺がどういうお寺なのか解説していただけます。
取材だからいろいろ話していただいたわけではなく、お噺は拝観料に含まれるサービスだそうです。
お月見の名勝
連歌師宗長は大変な文化人で、お庭も自らが名所の情緒を込めた借景庭園として作り上げたとされています。
銀閣寺から招かれたお坊さんが懐かしむお月見を再現するため、月が最もきれいに見える庭をテーマにしたそうです。庭の造りは北斗七星をイメージしているのだとか。
今川家亡き後も徳川家の庇護下になり、室町時代から500年以上自然災害にも合わずに不変であり続けた貴重な庭でもあります。
分福茶釜の伝説
宝物棚は撮影禁止なので写真はありませんが、今川義元愛用の横笛や一休さんが使った弁当箱、万葉歌人『柿本人麻呂』の像。
その他細川幽斎所縁の品、武田信玄の高麗焼きの茶碗、今川氏親愛用の品と予想以上に著名な人物の宝物が祀られていました。
その中で特に有名なのが『分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)』たぬきが化けた茶釜のおとぎ噺ですが、その茶釜が宝物棚に飾られています。
文化人として有名な足利8代将軍・足利義政の納めた茶釜で茶が飲めると話題になり、柴屋寺にはたくさんの観光客が来ました。しかしお坊さんが持ってきたのは小さな茶釜。
あの大きさではお茶席に並ぶ全員には到底まわらないなとガッカリしていたところ、お坊さんは『存分にお茶をお出ししますので』と約束しました。
観光客たちは怪しみながらも様子を眺めていると、小さな茶釜からどれだけお湯を掬っても一向に減る様子がありません。
これにはお茶席に参加していた皆が驚き、たぬきが化けているに違いない!文福茶釜だ!と、将軍の茶釜で有名なお寺から文福茶釜で人気のお寺へ変わったそうです。
美しさを極めた立地
お堂に上がらないと見えない角度にある舟川の高山は、丸子富士(まりこのふじ)として富士山を連想させる風景に。
本堂の前から見ても隠れてしまうため、丸子からは富士山が見えると言うお坊さんを馬鹿にした子どもたちに上がってもらい、お堂からの景色に驚く様を喜んで見ていたとか。
裏庭は枯山水(水溜まってますが)、都で流行っていた枯山水を今川氏に見せたいと手がけたそうです。広いお庭は様々な用途で拡張されていたのですね。
裏庭から上を見上げるとこちらも小高い山が見えています。こちらは桜が咲く山だそうで、春はしっかり桜の色を目視できるそうです。
素晴らしい自然に囲まれたお寺。マイナスイオン効果とかはよくわかりませんが、しっかり自然のパワーを感じることができました!是非お立ち寄りください!
スポット情報
スポット名 | 吐月峰柴屋寺 |
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住所 | 〒421-0103 静岡市駿河区丸子3316 |
連絡先 | 054-259-3686 |
駐車場 | あり |
アクセス | JR静岡駅北口7番線のりば 中部国道線 藤枝駅前行き乗車 吐月峰駿府匠宿入口下車 徒歩10分 |
拝観料 | 大人300円・小人200円(お月見会は800円) |
定休日 | 無休 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
詳細 | 静岡市観光サイト |
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