有名になった静岡の秘境
幻想的な湖上駅を散策!
静岡県榛原郡川根本町は、県内で最も北側の山間部に位置し、大井川に沿って走る【大井川鐡道】が通るエリアです。お茶どころとしても有名ですね。
大井川鐡道・井川線の駅の一つである奥大井湖上駅は、ヒスイ色のダム湖に浮かぶ小さな島にぽつんと存在する、特に珍しい景色の秘境駅となっています。
大井川鐵道の旅で駅へ向かう事も勿論可能ですが、今回は自動車旅で、雄大な自然と秘境駅が写せる絶景スポットに行ってみました!
自動車で奥大井へ
移動手段は車か大井川鐡道のみとなる地域ですが、車で行く場合は、交互通行不可・激坂を上り下り、運転慣れしていない方や馬力の無い車では厳しいルートですね。
静岡市街地から1時間10分程、そんな山道を走り抜けやっとたどり着いた長島ダム。
大井川鐡道・千頭駅まで来れば、そこからは割と平坦な道となりますが、斜度15~20度の坂だらけなので、慣れてないと相当怖いです。
写真のダムの裏側がヒスイ色のダム湖。そこに浮かぶのが今回の目的地、奥大井湖上駅です。この景色が見えたらあと5分程ですね。
駐車場あります
看板などがなく分かりづらいですが、車進入禁止の道2つを見送ったトンネルの先に下り道がありますのでそちらを下りた先が奥大井湖上駅の駐車場です。
台数は9台ほど、自販機やトイレは無いので注意です。こちらから景色は見えず、展望台&湖上駅に繋がるハイキングコースの入口となっています。
まずは展望台から
列車が来る時間を調べていたので、展望台から見に行くことにしました。
展望台まで距離としてはそんなに離れていないのですが、随分と坂の下に駐車場がある為、結構な階段を上る必要があります。駐車場からは15分程かかりました。
自然に囲まれておりハチなども多いので虫よけスプレーをお忘れなく。階段も場所によって一段がかなり高く、小さい子供やお年寄りは難しいかもしれません。
これが有名な秘境駅の景色
猛暑の中階段を上り、ゼェハァ言いながら辿り着いた展望台。展望台と言っても何かある訳ではなく、木々の間が開けて湖上駅が良く見えているだけの場所って感じです。
いまや有名なこの景色、ネットで見る写真と実物ではやはり感動が違いますね。ヒスイ色やエメラルドグリーンなどと称される湖の色が本当に綺麗。
空・湖・囲う森の木々、そして列車の通る赤い橋。カラフルで幻想的なここだけの景色です。頑張って上った甲斐がありました。
ネットでよく見るのはこれくらいアップにされた写真ですかね?
ちなみに奥大井湖上駅はダム開発に合わせて1990年に建設された平成の駅だそうです。2020年で30年目なので新しいとも言えませんけどね。
全国的に有名になったのは、かつてのテレビ番組『ザ・ベストハウス123』にて『日本の不思議な駅ベスト3』の1位になってからと言われています。
中部の駅百選・クールジャパンアワードなどに選定もされているそうです。色々調べながら写真をいくつか撮っている間に列車が来ましたよ!
展望台から見る列車
奥大井湖上駅を含む【南アルプスあぷとライン】は日本一の急勾配とされる『アプトいちしろ駅』から『長島ダム駅』を通る為、日本唯一のアプト式鉄道が通っています。
アプト式鉄道はラックレールと呼ばれる歯形のレールを嚙合わせることで、急な斜面を登る坑道用の鉄道システムだそうです。
今回は車で来たので乗っていませんが、奥大井の魅力を話す車内アナウンスなどを含め、観光用に利用されています。
駅へ止まる列車は、上り下りそれぞれ平日5本・週末6本と、1時間に1本ずつのみ。
タイミングが良ければどちらかが来てから17分~20分差で次が来ますが、それでも他に何もない展望台で待ち続けるのも厳しいので、時刻表は事前にしっかり確認を。
湖上駅へも歩いて行けます
奥大井湖上駅へは駐車場から徒歩でも向かえます。展望台へ上るよりも更に急な斜面を下りるので、こちらも段の高い階段が続いていますね。
下る際はまだ良いのですけど、帰りの上り階段が本当に地獄でした。
線路沿いを歩きます
駅への道は線路しか無いので当然かもしれませんが、線路の横の道を進むことになります。距離は200m程、湖までの高さは70m。高所恐怖症には辛いです。
朱色ですがレインボーブリッジと名付けられており、駅ができた頃に付けられた名ので、踊る大捜査線で有名になった方のレインボーブリッジより先輩とのこと。
吊り橋などとは違い橋自体はしっかりしているので揺れたりはしないのですが、たまに軋む音がして割と怖い...。
周りの景色が綺麗なのでつい眺めていると高さも感じてしまいますね。今回は列車が来るタイミングにぶつかりませんでしたが、隣を通るのもかなり怖そう...!
途中展望台方向を見ると、崩れかけの崖に白い路線が見えています。こちらは湖上駅が作られる以前に使用されていた旧路線とのことです。
奥大井湖上駅
たどり着いた秘境・奥大井湖上駅。無人駅独特の幻想的な空気が流れています。同じ日本・同じ静岡なのに、物語やゲームの世界にいるみたい!
歩いてきた線路沿いは200m程しかないのですが、結構長く感じますね。線路に降りた際は気付きませんでしたが、奥にはトンネルもありました。
停留所には時刻表の他、周辺の観光情報なども色々貼ってあります。無人駅とはいえ観光駅です。それでも不思議な感覚はずっと感じていますね。
ここにもある恋人の聖地
景勝地あるある、恋人の聖地です。私には関係ありませんがよく見ますよね。看板だけ撮りたかったのですが真隣にあるのでフレームインしてしまいました。
恋人の鍵=奥大井恋錠駅。妖精の遊び場所と紹介されているハッピーベル、鳴らし過ぎると妖精が怒って風を起こすそうです。
お土産はちゃばこ
DyDoのベンチまであったので、完全にドリンク自販機かと思って近づいたら【CHABACCO】の自販機でした。
ちゃばこは最近話題のタバコっぽいデザインのスティック静岡茶ですね。奥大井湖上駅限定デザイン・限定2000個で2020年4月に発売されたばかりだそうです。
レインボーブリッジを通るアプト式鉄道が描かれた可愛いデザインです。お土産に一つ購入しました。ちゃばこの紹介記事はこちらから☟
『CHABACCO(ちゃばこ)』まるでタバコなスティック静岡茶!
自然に囲まれたコテージへ
駅から林の方を見上げると、こちらも幻想的なコテージ。休憩スペースとして開放されている他、裏にはトイレがあります。
館内も無人。一階がフリースペースで自由に休憩できます。
入口傍にはシャッターが閉まったカウンターがあり、こちらは2019年10月にオープンした、ドリンクなどを販売する『奥大井湖上ありんこCAFE』とのこと。
土日限定営業とのことですが、この日は閉まっており公式サイトなどが無いので、現在営業しているかは分かりません。二階はカフェ利用者用スペースだそうです。
コテージからも駅と湖が眺められます。木陰の風を浴びながらゆったり休憩。この後の階段上りが頭に過り絶望しますが、幻想的な秘境の景色がしっかり胸に刻まれます。
夏・暑い日は駐車場からの移動が本当に地獄なので、紅葉シーズンの秋などがオススメですね。一度は訪れていただきたい静岡の秘境駅でした!
スポット情報
駅名 | 奥大井湖上 |
---|---|
住所 | 〒428-0402 静岡県榛原郡川根本町犬間 |
連絡先 | 0547-45-4112(大井川鐡道) |
駐車場 | あり |
アクセス | 大井川鐡道 奥大井湖上駅 下車 |
詳細 | 公式サイト |