梶原景時終焉の地&日本夜景遺産
静岡市を見渡す桜公園!
葵区長尾、葵区と清水区を跨ぐ山の頂上にある展望公園。かつては旧静岡市と旧清水市の市境でもありました。春は沢山の桜が咲く花見スポットとしても人気です。
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも話題の平安から鎌倉時代の武将、梶原景時が追い詰められて自刃した"終焉の地"として知られており、頂上には供養塔も設置されています。
標高約300mから市内を見渡す大パノラマは昼も夜も美しく、2019年には日本夜景遺産にも登録されていますが、公園までの道のりはかなりの難所です。
梶原山を登る
気軽には行けない難所の先
梶原山公園へは清水区柏尾と葵区瀬名からの二つの道がありますが、どちらも標高300mを山下から一気に駆け上がる、つづら折りやかなりの急勾配を繰り返す山道。
道は普通車で登るにはかなり厳しい細さ。なのに小回りが利く軽では馬力が不安になる角度と、運転能力を求められそうなルートです。
ところどころにすれ違えるように道が拡張された場所もありましたが、殆どは車一台がギリギリ通れる道幅ですね。雑草や枯葉で隠れてる部分も多いです。
市内有数の夜景スポットとして各所で紹介されていますが、外灯も無ければ標識もほぼなく、昼でも不安になる道を夜は地元の私でもまだ怖くて挑戦できていません。
駐車場から5分歩いて頂上へ
なんとかたどり着いた標高270mほどの地点の駐車場。ここからは徒歩ですが、遅くても5分ほど歩けば頂上です。写真正面の少し急な道を進んで行きます。
進行方向から右を向くと、よくしなった竹藪や背の高い桜の木。その間で怪しく光る、ゲームなら絶対イベントが発生しそうな謎の案内板が設置されていました。
階段を降りて行けるそうですが、結構急&道が落ち葉だらけで不安だったので今回は断念。先には景時が自害の前に顔を洗い喉を潤したとされる『鬢水』と呼ばれる史跡。
近くには景時の乗馬『磨墨』が空腹で食い千切った笹の葉が、梶原氏の家紋である『矢筈』の形となり、以来この地の笹が歯形のように枯れたという逸話から『駒喰い笹』と呼ばれる史跡も。先程の怪しく光る案内板は『駒喰い笹』のものです。
いよいよ頂上へ。そこそこ坂道で歩くのもなかなか疲れますが、途中から桜並木も見え始め、風景を楽しみながら進んでいけますね。
頂上・梶原山公園
梶原景時終焉之地と供養塔
大きな桜が主役のような写真になってしまいましたが、歴史探訪としてのメインは右の『梶原景時終焉之地』の碑と、右後ろの『梶原景時親子供養塔』。
梶原景時の最期についてはすぐ傍に設置された案内板にて詳しく解説されていますが、2022年の再訪時はまったく解読不能なほどに風化してしまっています。
下記は2019年時点で書き出したものです。
鎌倉幕府を開いた源頼朝の家臣として勢力を振るった梶原景時も、頼朝が死ぬと北条氏や他の有力家臣と対立し、正治二年(1200)一族を率いて鎌倉を後にして西国へと向かったのです。
しかし駿河地方には景時脱出の触れが回っており、一行が清見関(興津清見寺町)にさしかかった時、駿河武士団の吉香小次郎、洪河二郎、船越三郎、飯田五郎、矢部小次郎等と合戦になりました。
戦いは高橋、飯田、高部地区にかけて激しく行われました。景時の一族・家臣三十三人は次第に打ち取られ、中でも豪者といわれた梶原景茂(三男)はこれもするが第一の豪者吉香小次郎と相打ちになり果てました。
戦いの様子を見ていた景季(長男)は父にむかい「もはや、かない候まじき、敵の名もなき下郎の手にかからんより、速やかに御自害あるべし」と言うのでした。
景時も今はこれまでと思い、景季、景高(次男)と親子三人で鳥坂に程近い牛ヶ谷の山(今の梶原山)に入っていきました。
途中岩間から清水が湧き出していたので、髪を洗い整えたと伝えられています。その場所は今、鬢水(びんみず)と呼ばれています。
山頂の草の上に座を占めた景時は「もののふの かくこもかかるときにこそ 心の知らぬ 名のみおしけれ」と辞世の句をのこし三人共にこの地で自害しました。
時に景時六十一歳、景季三十九歳、景高三十六歳でした。
市内を見渡す大パノラマ
公園と名は付いていますが遊具などはなく、展望台にもなっている東屋と、ところどころにベンチがある程度。見晴らしは最高で、ほぼ全方位市内を見渡せます。
清水方面は興津から三保の松原~日本平と、パノラマカメラでぐるっと撮れるほど遮るものがありません。まっすぐ伸びる静清バイパスが見ごたえありますね。
街中からとはまた違う、山々の奥にずっしり構えた富士山の姿も運よく眺められました。少し雲はかかっていますが、春は意外と見えない日も多いので貴重です。
清水区全体のパノラマ写真も撮ってみました。ブログに貼れるサイズでは細かすぎてよく分からないと思うのでそのままサイズのリンクからよかったら☟
Googleフォト・重いのでWi-Fi環境などでどうぞ。(45.8MB 16382×3660ピクセル)
高いビルが並ぶ葵区方面はシムシティのよう。こちらも手前以外遮る物はなにもなく、街並みから水平線まで正に市内一望といった景色です。
清水側にある展望台が、一番高い位置から見下ろす形で眺められます。大河ドラマ観光に向けての準備なのか、この日は塗り替え工事が行われていては入れませんでしたが。
春はお花見スポットとしても
桜並木と言うほどの規模ではありませんが、公園内各所に綺麗なピンク色の大きな桜の木が並んでいました。ベンチなどもあるのでお花見にピッタリですね!
写真で納めるのはなかなか難しいですが、街並みをバックに桜を眺められる位置もありました。こちらも唯一無二の魅力ある桜スポットだと思います。
2枚目の写真奥の道は、隣山の頂上・一本松公園につながるハイキングコースとのこと。1kmほどの緩やかな道のりで30分程で辿り着けるそうです。
是非というにはアクセスが難しいスポットですが、市内の歴史探訪としては有名な史跡の一つでもありますので是非一度、晴れた日に訪れてみて下さい!
スポット情報
スポット名 | 梶原山公園 |
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住所 | 〒420-0903 静岡市葵区長尾1134 |
連絡先 | 054-221-1433 |
駐車場 | あり |
アクセス | 徒歩30分圏のバス停なし |
詳細 | 静岡市公園整備課 |