復元された櫓の中で
駿府の歴史と暮らしが学べる資料館
駿府城公園南東側、1989年に復元された巽櫓と、1996年に復元された東御門。実用されていた時代・日本古来の伝統工法を用いての復元の為、建築的価値も高い建物です。
内部は当時の駿府周辺の歴史や暮らしの資料展示や、当時使われていた家具や小物などの収集品、城内にあった部屋の再現など見どころの多い資料館になっています。
東御門
東御門は駿府城二の丸の東に位置する、主に重臣達が通っていた入口です。
東御門はただひとつの門を指すのではなく、堀に架かるこちらの『東御門橋』と、正面の最初にくぐる『高麗門』
正面右側に進む2つ目の『櫓門』をあわせて『東御門』になります。櫓門は守りを固める実践的な構造をしており、鉄砲を構える隙間や石落としなどがあります。
門をくぐった先に受付と券売機がありますので、そちらで入場料を払います。イベントで公園を利用する機会は多くても、東御門の見学は初めてです。
こちらの入口は受付の先へ登らないと見られない景色なので新鮮でした。なんだか古い小学校の靴箱みたいな作りですね。
資料館
教科書に乗っているようなふくよかな姿ではなく、晩年のおじいちゃんな家康公です。駿府の地図が描かれた大きな屏風と日の丸印の金扇がカッコいいですね。
左に掲げられた旗には『厭離穢土欣求浄土』個人の欲の為にこの世を荒らすことを良しとせず、平和な世(極楽浄土)を願うという家康の思想です。
駿府城や城下の模型
いま中を探索している東御門の模型。復元実物があるので資料としてはどうなのかなと思いましたが、いろいろな角度から眺められると発見もありますね!
そのとなりには駿府城の本丸から二の丸・城下までの巨大なジオラマです。備え付けのボタンを押すと、対応した門などのスポットが光る仕組みになっています。
天守閣はこちらのジオラマには設置されておらず、写真奥に見えていますが別の模型がありますね。天守閣に関しては資料がないので想像らしいです。
駿府城の資料
貴重な古地図の実寸大コピーです。駿府城の縄張りが示されています。図なので当たり前ですが天守の大きさなどはわかりません。
駿府城の天守は1585年に築城、1607年に焼失しましたが、1610年に再建されました。
しかし1635年に火災で再び焼失してしまい、その後は再建されていません。初代も二代目もどちらも構造の資料は遺されていないそうです。
5層7階で、1階は約20m×25mだったということは判明しているそうで、天守台の大きさは約46m×56mですが、その大きさそのままに天守を建てたのではなく、お城の部分を独立させた特殊構造だったと推測されているとのこと。
城下町や周辺地域の様子が紹介されています。壁沿いに資料が多く並べられており、資料の他にも貴重な古屏風なども飾られていました。
食生活や娯楽などの紹介と共に。それに纏わる収集品が展示されています。こちらは食生活ですが、家康公は贅沢を嫌い質素な食生活を自他ともに勧めていたとのこと。
少なくとも駿府城にいる間は健康に気を使った料理ばかりを食べていたそうです。晩年は天ぷらを食べすぎて亡くなった説があるほどハマっていたとのこと。
東御門その他の展示
攻めてきた敵を撃ち抜く為の隙間のある窓など、実戦的な門の構造についても紹介されています。外からは狙いにくいけど中からは容易に攻撃可能な仕組みですね。
こちらは要所にある石落とし。下を通ろうとした的に大量の石を重力落下で浴びせます。危険でござるな。
シャチホコも展示されていました。こちらは二ノ丸堀から出土したものとのこと。青銅製なので立派に残っています。
この他にも駿府城に纏わる貴重な品・出土品のほか、静岡の伝統文化の展示など見どころはかなり豊富です!
窓から見える門中
鉄砲が通るほどの隙間、意外と視野も広いです。高麗門と櫓門どちらも見渡すことができました。
巽櫓
東御門と巽櫓は連絡路で繋がっています。こちらも入口と同じく古い小学校みたいな雰囲気ですね。自然教室に来たみたい笑
三階建ての巽櫓は入口すぐ階段があり、主な展示は二階に並んでいます。一階は柱の並ぶ大広間。お茶会とかイベントできそうですね。
調べてみたところ、2018年にここで結婚式を行ったカップルがいたそうです!有効活用方法を探しているそうですよ。静岡&歴史本オンリー即売会などどうでしょう?
駿府お茶壺道中
巽櫓の二階も展示スペースです。東御門と同じく駿府に纏わる展示が並んでいます。
江戸時代に家康公が新茶の時期になると茶壺にお茶を詰め、夏の間は標高1000mを超える井川大日峠に建てたお茶蔵で熟成させ秋に駿府へ運ばせたという伝承があります。
現在も毎年5月から半年に渡り、当時を再現した一連のイベントを開催しているそうです。そのメインイベントが駿府お茶壺道中。
10月の下旬に大日峠のお茶藏から茶市場にお茶が運ばれ、そこから駿府城公園までをこちらのお神輿で運びます。その後久能山東照宮へ運んで献茶の儀式を行うとのこと。
竹千代手習いの間
家康公の幼少期(幼名・竹千代)の勉強部屋の復元だそうです。
1549年からの12年間、8歳から12歳になるまで今川義元の人質として駿府で生活していた家康は、この部屋で臨済寺住職の雪斎和尚から学問を学んだと言われています。
臨済寺の許可を得て原寸の復元を展示しているそうです。この説明が書かれていた案内板の右上に撮影禁止と書いてあった形跡が在るのですが、シールで隠されていました。許可を取っているくらいですし、以前は厳しかったのかな?
復元の様子
壁沿いには駿府城東御門と巽櫓復元の様子が細かく紹介されていました。なかなか興味深い内容ですが、全部紹介するにはもう1記事必要になりそうなので省略。
巽櫓の外
巽櫓の窓からも外が覗けます。真下がお堀の景色が見られるのは巽櫓だけっ!二階は閉まっているので先程の一階の大広間からですね。
駿府城として紹介されている写真でよく見る景色。当時の技術で復元されているだけにとても立派です。
中は綺麗な資料館ですが、外から見た味のある風景と両方楽しめるのが良いですね!見どころたっぷりな施設でした。是非一度拝観してみてくださいね!
スポット情報
施設名 | 駿府城公園 東御門・巽櫓 (ひがしごもん たつみやぐら) |
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住所 | 〒420-0856 静岡市葵区駿府城公園1-94 |
連絡先 | 054-251-0016 |
駐車場 | 有料駐車場あり |
アクセス | JR静岡駅から徒歩10分 新静岡駅から徒歩5分 |
定休日 | 月曜(公園は年中無休) |
営業時間 | 9:00~16:30 |
詳細 | 公式サイト |
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