地獄と極楽を知り、体験する
真面目だけど何処かカオスな地獄めぐり
伊豆市下船原の地獄と極楽に纏わるテーマパーク。サブカル系のディープなスポットが多い伊豆半島の中でも35年以上続く老舗の施設です。
スタッフさんによる雰囲気のある地獄と極楽の説明語りから始まり、大きな鬼たちの模型が並ぶ地獄の様子を歩いて見て周る、地獄めぐりの展示がメイン。
内容は至って真面目なのですが、言葉選びや展示のセンスがどこか独特だったりと、伊豆のスポットらしいカオスさ。楽しみながら死後の世界に詳しくなれますよ!
※かなりグロさを伴う展示もあります。該当箇所の写真も無修正で掲載しております。苦手な方はご注意ください。写真撮影と取材許可はいただいています。
伊豆極楽苑
外にも沢山の地獄要素?
『地獄極楽めぐり』と書かれた四角い建物。外観は至って普通...ではないような、少し不思議な洋館?あまり見ない構造の外観ですね。
入口左の方に地獄らしい顔はめパネル。閻魔大王様と亡者になれます。どうにもポップで手作り感がある様が伊豆のディープスポットらしいですよね。
自動車道からもはっきり見えて存在感をバリバリアピールしている5m級巨鬼。妙に輝いた笑顔を振りまき、写真撮影を待っているかのようにピースポーズ。
縁結びの神社や謎の白象の像、こちらにも館長自ら描いた顔はめパネルやアートが並んでいます。左側の階段は隣接する秘宝展(18歳以下入場禁止)の入口です。
太眉の赤い小鬼?の後ろが入場券販売の受付。入館料は大人700円・中高生500円・小学生300円。秘宝展とセットは900円となっています。
見どころ満載な館内へ
玄関では手作り感ある閻魔様の大きなイラストがお出迎え。見て回るだけの施設ではなく、まず最初の部屋で地獄や天国・輪廻についての解説が始まります。
管理人のおば様自ら雰囲気のある語りで輪廻転生を紹介。怪談を聞いているかのような感情のこもった解説を目の前でしていただけます。
10分ほどの内容ですがじっくり聞けば基本的な知識は身に付くはず。壁には様々な資料や解説の展示がありますが、よく見るとこちらも独特なセンスが見え隠れ。
解説が終わったらいよいよ地獄めぐりへ。展示を周る際にはスタッフさんは付いてきませんので、ゆったり歩いて巡りましょう。
各展示では音声ガイドが流れているところもあり、良いタイミングで流れ始めるのでどこかから監視されているのではって感覚にもなりますが笑
極楽苑の地獄めぐり
死出の山~三途の川
3200kmあると言われる死出の山(階段)をショートカットし、三途の川へとたどり着きます。亡者が渡り船を待っているジオラマですね。
この世での行いによって三途の川の渡り方から差が出ます。鬼に運んでもらえるのは善い行いをした者のみ。他にも橋を歩いて渡ったり7日間流されたりと様々です。
賽の河原
親より先に死んだ子供は三途の川の河原である賽の河原で鬼に石を積まされますが、積み終える直前に巨大な鬼によって壊されます。
石を積むのは親兄弟を慕いこの世への未練を残しまくってる幼子達が、天に行くため心を落ち着け未練を捨てるための必要な工程とのこと。
地蔵菩薩が現れて救ってくれるそうですが、未練が無いと認証され選ばれた者のみ。それまでは何日も積みつづけるそうです。
ちなみに親より早く死んだことだけがこの苦行の理由ではなく、生前全くお布施をしなかった(できなかった)ことも罪になるのだとか。
奪衣婆と懸衣翁
三途の川のほとりでは、奪衣婆(だつえば)によって着ている服を脱がされます。
次に懸衣翁(けんえおう)が衣領樹(えりょうじゅ)という木に掛けて、それによる枝の垂れ具合で罪の重さを測るそうです。
地獄の沙汰も金次第という言葉がありますが、奪衣婆(だつえば)による剥ぎ取りは六文銭を持っていれば回避できるとのこと。
六文銭を持っている=しっかり看取られて葬式を上げてもらったことになるので、持っていないということはそれ以外の場合ですからね。
地獄の裁判へ
閻魔大王様が有名な地獄の裁判ですが、各行いに対して担当の王がいて調べ方もそれぞれ違うらしいです。7週間かけてじっくり調査されます。
生前のすべての行いを見せる浄玻璃の鏡。閻魔様の前でうそをついても、この鏡が全てを明かしてしまいます。ラーの鏡の元ネタかな?
説明には『嘘をついてもビデオテープを見せられてすぐばれる』と書いてあります。まだブルーレイはおろかDVD対応もしていないみたい。
恐ろしい顔の閻魔様。こんな顔で凄まれながら嘘をつける人は逆にすごいと思う。でもよく見るとふっくらした顔でちょっとかわいい。
右の男女の顔は善悪を見抜く人頭杖。左の青鬼は閻魔様の前で嘘をついた亡者から舌を抜いて二度と嘘が吐けないようにしています。
閻魔様のジオラマの前には懺悔帳が。心に残る懺悔の気持ちを書き出しましょう。有名人の書き込みもあるそうですが、読んでて苦しくなったので探せませんでした。
様々な地獄や六道の紹介
ここから先は閻魔様の裁判後に送られる六道の世界や地獄の各地が紹介されています。内容が多いので選抜して紹介しますね。
餓鬼界
食べるものは糞尿しかなく、食べられそうなものも口にしようとした瞬間に火になるという餓鬼界。生前に貪欲だった者や嫉妬をした者がこの世界に行きます。
地獄ほどの苦痛はないそうですが、飢えや渇きに絶えず苦しめられ、決して満たされることが無い日々を送るそうです。
人間界
色々なしがらみに押しつぶされそうな人間たちの姿。この世も地獄...ってコト!?
等活地獄
生き物を殺したり、争いを好んだ者が行く地獄。亡者同士で戦うように憎しみを植え付けられ、死んでもすぐ生き返らせられてしまう。
戦わない者も鬼にぐちゃぐちゃに処刑されては生き返って、1兆6200億年間それを繰り返すらしいです。
筋肉粒々な鬼たちが『活きろ』と息を吹きかければたちまち元気百倍でまた戦い始めます。いつまでも終わらないので等活地獄と言います。
叫喚地獄
地獄の釜茹で・針の山など、地獄と聞いてイメージする内容が多いのがこの叫喚地獄。様々な方法で鬼に処刑され続けます。
等活地獄と同じく死んでは生き返ってを繰り返すため、永遠に苦しみを味わい続けるわけです。期間は等活地獄に更に倍率がかかり1兆6200億年間の5倍とのこと...。
阿鼻地獄
苦しみのすべてが詰まった地獄の最深部。下の部分は恐ろしすぎて公開できません。親殺しや地獄を信じなかったものが送られるそうです。
期間も永遠でここに来たら最後、苦に襲われ続ける最悪の地獄。このジオラマは正直見ただけで気持ち悪くなりました。
地獄からさようなら
恐ろしい地獄を巡り、やっと出口へたどり着きました。ロン毛の鬼いちゃんが笑顔でお見送り。カオスな雰囲気が帰ってきて心が落ち着きます。
最後は阿弥陀様に見守られ極楽へ。広くて金色の搭と緑映える世界です。望むものはすべて手に入るそう。限りない寿命が与えられ死ぬこともないそうです。
お土産コーナー
カオスが帰ってきました。地獄なので六文銭はわかりますが、テーマソングや鬼ファイルなどのオリジナルグッズも多数揃っています。
鬼Tシャツがなかなかいいデザインで迷いましたが六文銭だけ買っておきました。
地獄なのでそのままですが、鬼灯の冷徹の聖地として扱われているようです。管理人さんの息子夫婦もファンだそうです。
ディープでサブカルっぽい雰囲気も混ざった、学びありカオスありな地獄めぐり。いつか必ず訪れることになるスポットを先に体験してみませんか?
観光情報
施設名 | 伊豆極楽苑(いずごくらくえん) |
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住所 | 〒410-3214 静岡県伊豆市下船原370-1 |
連絡先 | 0558-87-0253 |
駐車場 | あり |
定休日 | 木曜日 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
詳細 | 公式サイト |